選挙をインターネットで行わない理由

生活

インターネット回線を使うことで情報を入手したり、必要書類を書いて提出するなど、現在ではIT化が進み、紙面上でのやり取りをしなくても済む傾向にあるようです。
またインターネットで済ませることができたらよいと考えられていることもあります。
選挙もその中の1つで、衆議院選や知事選、市長選など代表を決めるための投票は、現在でも指定された会場に行って手書きで票に投票したい方の氏名を書いて票を入れる形式をとっています。
インターネットで選挙をすれば、手間をかける必要はないと考えられます。
しかし実行されないのには、いくつかの理由があります。

IT化が進んでも、すべてが完璧ではありません。
サーバー、ネット、またコンテンツ関連でセキュリティリスクか起こる可能性があるためです。
候補者や政権者が使用しているサーバーやパソコンから情報が漏洩して悪用される場合が想定されます。
またはマルチウェアをウィルスに感染させて重要情報、特に個人情報を回線から流す場合があります。
露見した情報から政権者を誰が支持しているかが判明した場合、情報管理の悪さが明らかになり、政党や政権者のイメージが悪くなる可能性があります。
また対立している政権者に情報が渡ってしまと、支持者に自分たちのほうが優れているとアピールする、あるいはフィッシング詐欺に利用されてしまう場合もあるので、正当な票を集めるために使用されていません。

また仮にインターネットで選挙を行い、投票を可能にした場合、パソコンを持っていない方、または回線に接続ができない、パソコンが故障してしまうなど、回線自体の不具合も想定されます。
環境が悪くて回線がつながりにくいという場合、投票したいと思ってもできないので、選挙率を小さくしてしまう原因にもなります。

加えて投票者が実際に会場に赴いて本人が書いた票を投票箱に入れることで、不正は行われる確率は少ないと考えられますが、回線で投票を行えるようにした場合、選挙違反が行われてしまう危険があります。
仮に投票者が高齢者である場合、回線につながるスマートフォンや、本人であることを証明するマイナンバーカードを預けた場合、勝手に票を入れられてしまう可能性があるためです。

2018年のスイスでの事例で投票者が投票した秘密が守られなかった投票があると言われています。
投票時にデータ処理に一部不透明な部分があり、本人のプライバシーが完璧に守られていなかったため、投票の秘密が漏れる危険性があったようです。
さらに回線からの投票は、数え直しができないし、開票するという作業もないので不正がないか確認をする監視役もいないので、投票の結果を一括して集計し、誤りがあるかを確認することができません。

それからインターネットからの投票になると、郵便を使っての投票と比較するとコストがかかると言われています。
2018年スイス全土で投票する場合、回線を使用して投票するためのコストを計算すると日本円で換算すると786,000,000円程の金額が必要になるという結果が出ました。
手軽に投票者が票を入れるようにするためには、高額な費用が必要になります。

インターネットから投票をすることで選挙を行うと、投票が簡単にできるので時間帯を意識する必要もない、また投票率も上がり、あらゆる年齢層からの票を得ることができるために投票率が上がる可能性があります。
また票に氏名を書くのではなく、クリックで選択をするという方法で投票されるので、記入間違えや記入もれが発生することがないため、無効票数が減ることが考えられます。
しかしネット犯罪やサイバーテロなどで投票自体が悪用されることも考えられるため、万全な対策を立ててからの実用化になるので、実施されるのには時間が必要になります。

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